スツール一から十まで 制作過程

製作過程の様子です。

 

講習会でみなさんに用意している木材は、厚さ50mmです。

(写真は35mm)

もっと深く座面を彫ることができ、造形を楽しむことが出来ます。

受講してくださる方に、これは初心者向きではないのでは?と指摘されました。

そうですねぇ、やはり中級者から上級者向けでしょうか…。

しかし初心者でも制作できるように2016年からは3段階でコースを設定しましたので、お気軽にご相談ください。

これまでも木工初心者が素敵なスツールを制作してきましたので、何とかなるものです。

最初に今回の制作する椅子のコンセプトを説明します。デンマークのシューメーカースツールを参考に自分なりの「しっくり来る普通の形」を製作します。

奇抜さや新しさは要らない。自分が気持いいと感じる曲線を探がす旅の行き先はみな違う形になります。もちろんサンプルをそのまま作ってもいいんです。

大きな木から座板、脚材、ヌキ材を切り出します。チョークで墨付けして、丸鋸盤や帯のこ盤を使って荒木取をします。手押しかんな盤で基準面の平面を出したら自動かんな盤で均一の厚みにします。

怖いけれども、きれいな木目が出てくると嬉しくなります。

初心者の方は機械操作が強ければ代わりに作業しますのでご安心くださいね。


※【上級コース】はここから

脚材とヌキ材は旋盤で丸く加工しやすいように角を落とします。

脚材は太さがあるので帯鋸で、

ヌキ材は細いのでトリマーで面取りします。

旋盤加工です。テノ森のバイト(旋盤用の刃物)は御世辞にも良いものとはいえないのですが、まあなんとか形になります。

つい最近、家具作家さんから教えていただいた藁を使った仕上げの方法をご紹介しますね。感動します。


※【中級コース】はここから

※【初級コース】は脚材一本のみ旋盤加工します。

座板はお好きな形にジグソーで切り抜きます。

ジグソーで切り抜いた後にベルトサンダーで輪郭を整えました。

座板に足用の穴を空ける前に、端材で角度を確認。しっかり安定させるために少し開き気味に。これでも椅子として十分強度はありそうです。

穴あけ。ひとつ開けてはボール盤の角度設定のボルトが緩んでいないか確認しましょう。

座板の彫りは大胆に丸ノミで彫ります。まづは荒彫り!

中掘り→仕上げ彫り。輪郭もヤスリでゴリゴリしながら気持ち良いまるみを探します。

仮組みをしてヌキ材の位置を決め、穴の加工をします。それなりにできるものです。

座板はスクレーパーという金属の板に刃をつけて鉋のように表面を削ります。刃の調整と動かす角度がよければ鉋屑がでます。

クサビ用の切り込みを脚材に入れたら、組立です。

三本の足と2本のヌキを同時に叩き込みます。

飛び出たところはのこぎりでカットします。

丸ノミで座面と同じ曲線にして、

紙やすりで仕上げます。

塗装はオイルフィニッシュ。イギリスのワトコオイルを使います。

工房を設計してくださった金氣さんが今回も受講してくださいました。奥さんにプレゼントしたドレッサー用の椅子です。材料はブラックウォールナット(追加料金が必要です)このあとヌキ用の穴を加工して組立です。

完成したスツールをいろいろな角度から見てみましょう。